資産を運用する

家庭経済の耳より情報

2021年10月10日

今こそ投資を!人生100年時代に向けた資産形成戦略

 人生100年時代と言われる現代。結婚、子育て、老後…現役世代の方には、普通に働いているだけで自分たちの将来は大丈夫だろうかと不安な方も多いでしょう。そのような時代において、投資の重要性は増しています。とはいえ投資に興味がありながらもなかなか一歩踏み出せない人も多く、あなたもそのような人の一人かもしれません。
 この記事は、そんなあなたの背中を押すことにきっとなることでしょう!

30年間、給料は上がらず出るお金は増えていく日本

 突然ですが、「iPhoneって高い」と思ったことはありませんか?モデルチェンジするたびに値段が上がるiPhoneですが、それは新しい機能が搭載されたから、だけではありません。むしろ、海外諸国の物価が年を追うごとに上がっていくのに対し、日本の物価はこの30年ほとんど上がっていないためです。それは皆様も実感があることでしょうが、給与も全く上がっていません。国税庁のデータによると、日本の給与所得者の平均年収は平成1年に400万円ほどであったのに対し、平成30年では440万円となっています。失われた30年と平成時代を通して言われる通り、平成の間で給料はほとんど上がっていないと言えるでしょう。一方でアメリカでは、日本円にして年収1400万円の世帯が低所得世帯とみなされる州が出てきています。日本では考えられないようなそんな現象の起きているアメリカで作られているiPhoneの値段が上がっていくのも頷けるでしょう。
 給与は増えないながらも、平成を通して消費税が導入され、その税率は上がり続け、さらに社会保障費も上がっています。社会人の方ならばきっと実感あることでしょう。給料は増えないのに、出費や天引き額は増えていくのが日本という国だと言えるでしょう。

それなのに日本人は貯金大好き

  出典:日本銀行調査統計局「資金循環の日米欧比較」2021年8月20日
   https://www.boj.or.jp/statistics/sj/sjhiq.pdf (2021年9月28日に利用)

 上述のように「真面目に働いても報われない」と言われても仕方ないような日本社会だからこそ、給与所得者であっても投資によって資産を大きく成長させる必要性があるのです。にも関わらず、実は日本人は世界有数の貯金大好きな人々なのです。
 上の表は、家計における金融資産の構成比を日本、米国、ユーロ圏で比較したものです。
 日本は欧米と比べ圧倒的に「現金・預金」の比率が高いことがわかるでしょう。一方で、米国やユーロ圏は「投資信託」「株式」などの比率が高く、資産運用に対して積極的なことが分かります。実は世界的に見ると個人が資産運用をすることは当然のことだとも考えられているのです。
 これは日本ではバブル崩壊を経験し「投資は危険」という認識が主に今の退職した世代に浸透していて、そういった世代の方からの教えを受けてきたことが理由の一端にあるでしょう。しかし時代は変わりました。今では手数料が安く投資ができ、しかも外国の金融商品を買うことも容易です。またご存知のように今は超低金利時代で、貯金をしていても利息は全くといっていいほどつきません。将来のために今こそ投資マインドを得て、資産運用を始めるべきなのです。

手堅く運用するなら「インデックスファンド」

 とはいえ、どんな株を買えば良いかわからないという方が大半かと思います。そんな方にお勧めなのがインデックスファンドです。
 インデックスファンドとは何か理解するためには、まずは投資信託について説明しなければなりません。投資信託とは、投資家から集めた多くのお金をプロが運用し、その運用成果が投資家それぞれの投資額に応じて分配されるという仕組みの金融商品です。プロが代わりに運用してくれるという利点、また多くの銘柄への分散投資をするのには多くのお金が必要なのに対し投資信託は一つ買えばそれだけで分散投資になるという利点があります。
 インデックスファンドとはこの投資信託のうち、日経平均株価やダウ平均株価、ナスダック平均株価といった株式市場の指数に連動することを目指すものです。歴史的に、10年や20年という長期的スパンではこれらの指数は上昇を続けてきており、指数に連動する投資信託はその指数に合わせた成長が期待できます。
 インデックスファンドの中でも特におすすめのものとして、経済大国アメリカの株式市場の指数(ダウやナスダックやS &P500)に連動するものや、アメリカのみならず全世界の金融市場に連動することを目指すものがあります。

NISA、つみたてNISAで節税を

 投資をするとなると、頭を悩ませるのが税金の問題です。しかし、日本では国が投資の利益への課税について優遇措置を取っており、投資を後押しするような制度を設けています。
 そうした制度の一つにNISAがあります。これは、NISA口座という証券口座を開設したら5年間、非課税優遇枠が年間120万円設けられ、その範囲内ならば投資で得た利益には課税されないという制度です。つまり、毎年120万円までの取引ならば、5年間は課税されないということです。通常は投資で得た利益にはおよそ20%課税されますが、この税率がなくなるだけでも相当実入りは多くなります。
 似た制度としてつみたてNISAというものがあります。NISAでは通常口座と変わらない銘柄の取引ができるのに対し、つみたてNISAでは長期の積み立てや分散投資に適した一定の投資信託しか買えず、非課税枠は年40万円とNISAより少ないですが、その分非課税期間は20年間と長期となっており、長期分散投資を促す制度となっています。

 いかがでしょう?知識がなくとも手堅く、かつ税制面でも優遇されつつ投資をできる環境が現代では整っています。漠然とした将来の不安を嘆く前に、まずは証券口座を開設して、投資家として一歩を踏み出しませんか?

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小野寺 永治 2021年10月10日