家を持つ

家庭経済の耳より情報

2011年09月21日

フラット35S 金利1%引き下げ終了の意味は?

FPは、お客様に対して安心で豊かな暮らしの実現をめざすためにお手伝いしたいと願っています。
人生で最もお金を必要とする「家を持つ」というイベントに対して、
①現在のライフプラン(生活設計)を作る
②現状分析と問題点を把握する
③家を持った後のライフプラン(生活設計)はどう変化するか
というこれら①~③について、信頼できるFPに相談し、検討することが重要です。
夢であった家を持つということが家計破たん、住宅ローン破たんになってはなりません。

さて、家を持つにはかなりの資金が必要です。自己資金で全てまかなえればよいのですがほとんどの方は銀行などからの借入が必要となるでしょう。
そこで、住宅ローンの借り方で重要な選択を迫られます。変動金利型か固定金利型かです。
最近は、変動金利型(変動金利型、一定期間固定金利の固定金利選択型)を選択される方が多いようで、住宅金融支援機構の平成23年8月の調査によると変動型52.9%、固定金利選択型30.2%、長期固定金利型16.9%という結果になっています。

今月(平成23年9月)の金利では、長期固定金利のフラット35(返済期間21年以上35年以下)の場合2.26%~3.27%となっています(金利は各金融機関で異なります)。
フラット35Sの場合、当初10年間は1%引き下げでしたが、来月(10月)より0.3%の引き下げに戻ります。金利が変わらなければ当初10年間は1.96%~2.97%ということになります。
これに対して、変動金利型は0.85%と低い金利をつけている銀行もあり、魅力的に思えます。これが変動金利型を選ぶ第一の理由なのでしょう。
でも、この選択は正しいのでしょうか?

住宅ローンは、長期にわたって返済していくものだということを考えなければなりません。返済額が今後の家計にどう影響するかが重要なのです。この返済額は、住宅ローンの金利(固定金利型、変動金利型など)、返済期間、返済方法などで変わります。

金融機関の借入審査がOKであっても、今後の家計が問題なしとは限りません。住宅ローンを借りるときだけが大丈夫ではいけないのです。
安心で豊かな生活を目指すには、家を持つ前にライフプラン(生活設計)を信頼できるFPと一緒につくることから始めるべきです。

返済額が最後まで変わらない固定金利型であれば、返済計画が立てやすく安心できるのではないでしょうか。
変動金利型は5年間返済額が変わりませんが金利は6ヵ月ごとに変わります。つまり、金利が上昇すると利息部分が増えてしまうことになり、いつまでたっても元金部分が思ったより減らないという結果になりかねません。最悪の場合、利息だけを返すことになり、まったく元金が減らないということもありえるのです。

現在の金利市場環境は低金利の状態が続いており、その場合借りるのなら、変動金利より固定金利を選ぶのが原則であり妥当でしょう。
金利リスクに特に関心があり自己判断できるのであればよいでしょうが、それ以外の方は、固定金利型をおすすめします。

佐藤 博明 2011年09月22日