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家庭経済の耳より情報

2013年11月30日

住宅ローンの返し方 実はボーナス併用払いは損!

 住宅ローンの相談で、「ボーナス併用払い」を勧められていますが、この返し方でよいでしょうか?と聞かれることがあります。
実は、「ボーナス併用払い」は、「月払い」と比べると損なのです。また、思わぬ落とし穴もあるので、そのあたりについてお話していきましょう。

シミュレーションで比較!

 では、次のような設定で、「月払い」と「ボーナス併用払い」を比較してみましょう。なお、ボーナスでの返済割合は40%としました。つまり、借入金額3,000万円のうち1,200万円がボーナスでの返済となります。

●借入金額:3,000万円
●金利:2%
●返済期間:35年
●元利均等返済

 ◆月払い
 毎月返済額:99,378円
 総返済額:41,738,760円

 ◆ボーナス併用払い
 毎月返済額:59,627円
 ボーナス時上乗せ返済額:239,193円
 総返済額:41,786,850 円

総返済額を比較すると・・・
ボーナス併用払い41,786,850円-月払い41,738,760円=48,090円

期待したほど金額が違わない!なんて声が聞こえてきそうですが(笑)
でも、4万8千円もあれば、洋服だって、バッグだって買えますよね。家族みんなでリッチな食事もできそうです。
返し方を「月払い」にするだけで、4万8千円も払わなくてよいなんて、いいと思いませんか?

「月払い」の方が得になるワケ

 なぜ、「月払い」の方がお得になるのでしょう?そのカラクリは次のとおり。
支払利息は、元本×利率で計算します。
「月払い」は、毎月少しずつでも元本を返済していきますから、その減った元本に対して利率を掛けます。それだけ、利息の金額が少なくなります。
これに対して、「ボーナス払い」の分は、6ヵ月間元本が減りません。この減っていない元本に対して利率を掛けるので、その分利息の金額が多くなるわけです。

画像をクリックすると大きくなります↗

思わぬ落とし穴とは?

 『毎月の支払いが6万円ぐらいなら、なんとかなりそうだし、ボーナスから24万円も大丈夫そう』ということで、最初のうちは順調に返していけたとします。
でも、しばらくして夫の会社の業績が悪くなり、ボーナスがカットされたり、支払われなくなったとしたら、どうします?
ボーナスでの返済を見込んでいた分、毎月の返済が大変になり、家計を圧迫することになってしまいます。
なので、住宅ローンの返済は、「月払い」の金額で、払い続けられそうかどうか判断することが基本です。

安心でお得な「月払い」というワケですネ!

吉田 美砂緒  2013年11月30日