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家庭経済の耳より情報

2019年03月20日

リバースモーゲージをもう1度考えよう

 老後生活を支える資金の調達方法として、リバースモーゲージをもう1度見直すことも必要ではないでしょうか。
これからの老後生活を豊かにする方法になる可能性も!ただし、くれぐれもご注意を!

■リバースモーゲージの仕組みは
・自宅を担保に金融機関から融資を受けるものです。返済は利息のみで、元本は借入人が死後自宅を売却して、一括返済するものです。契約期間中は自宅に住み続けられます。
 「リ・バース60」は借入金が残っていても、請求されないタイプが主流です。
・一般的リバースモーゲージの資金使途は、事業性の目的を除き、生活費、レジャー、家屋のリフォーム等自由です。「リ・バース60」の資金使途は、自宅の建て替えや住宅ローンの借り換え、リフォーム資金等です。
・対象物件について、一般的なリバースモーゲージでは、地域や状態等の条件が厳しいですが、「リ・バース60」は地域などの条件は少ないです。
・金利は、変動金利型の商品が主流で、金利が上がるリスクがあります。金利が上れば、毎月返済の利息は増えます。
・一般的なリバースモーゲージでは、手数料を払う場合もあります。

■種類は
・「充実人生」東京スター銀行、「安心革命」りそな銀行等
・自治体で実施しているところもあります
・「リ・バース60」(住宅金融支援機構)

■ リバースモーゲージを利用可能な方及リバースモーゲージのメリット
・様々な事態に対応できる資金を準備できる方。たとえば、自宅の評価を定期的に見直して、担保価値が借入残高以下になった場合、差額を入金することも迫られます。
・相続人がいないため、自宅を遺す必要のない方。お子さんがいない場合など、財産を遺す必要がない等。
・相続人全員が、自宅を遺さないことに同意している場合。たとえば、お子さん全員が家族会議をして自宅を担保にすることに賛成してくれるなど。
・まとまった資金を老後生活の備えとして用意でき、利息だけを払いながら、自宅に住み続けられます。

■リバースモーゲージのデメリット
・売却時より借りられる金額は少ない(半額程度)。担保価値の変動を主な要因として、5~6割を借入限度額としている金融機関が多いです。売却した方が、多く資金を得られることもあります。
・相続人が相続できる財産が少なくなる。もちろん、自宅の売却代金で返済すれば、相続財産は減ります。しかしながら、財産を遺す必要がないとお考えの人もいるかもしれません。
・返済不能になれば、契約期間中でも自宅を手放さなけrばならないリスクがあります。自宅を売却して返済資金に充てることになります。
・もし、契約者の死亡時に返済資金に不足分が生じれば、返済義務は保証人および契約者の相続人が承継します。「リ・バース60」については、残債務は請求しないのが、主流です。
・自宅の評価額が下がると、借入極度額が下がり、場合によっては、下がった分を補填しなければなりません。
・金利が上がれば、返済額が増加します。
・リバースモーゲージの契約者が、契約締結時に予想した以上に長生きしたため、契約期間中に融資残高が担保不動産の評価額を上回ってしまうこともあります。

■まとめ
自宅を使って、資金を調達する方法は多様化しましたが、良い面と注意する面があり、まとまった資金を得ることと住み続けること、あるいは子供たちに財産を遺してあげるかなど、様々な要素を注意深く考える必要があります。

氏家 勉 2019年03月20日