2026年02月25日
改正住宅セーフティネット法をご存じですか?
昨年10月に改正された「住宅セーフティネット法」(住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律)をご紹介します。住宅の確保が困難な方々(=住宅確保要配慮者、以下「要配慮者」)が賃貸住宅に入居しやすくなるための法律ですが、空き家・空き室の活用にもつながることが期待されています。
【背景】
近年、高齢者世帯や単身世帯の増加、持ち家率の低下などから、要配慮者の賃貸住宅への入居に対するニーズが高まっています。一方で、民間賃貸住宅の空き家・空き室の増加も課題となっています。しかし大家さんの中には、孤独死や死亡時の残置物処理、家賃滞納などに対して懸念を持っている方が多く、要配慮者の入居に拒否感を持っているのが実情です。
【住宅セーフティネット法とは】
住まいの確保が難しい「要配慮者」が安心して賃貸住宅に入居できることを目的として2007年に作られた法律です。
①要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅(セーフティネット住宅)の登録制度ができました。
②セーフティネット住宅の改修や入居時の経済的支援があります。
③要配慮者の入居相談や入居後の生活支援を行う法人(居住支援法人)を都道府県が指定し、自治体や不動産関係団体とともに地域の体制強化に取り組んでいます。
【2025年10月の制度改正】
大家さんが賃貸住宅を提供しやすく、要配慮者が円滑に入居できる環境整備をさらに進めるための改正です。
①入居後の変化やトラブルに対応できる「居住サポート住宅」が創設されました。サポートが必要な方はICT(センサーやIoT家電など)活用による安否確認、訪問などによる見守り、相談窓口へのつなぎ等のサポートが受けられます。大家さんにとっても入居者の孤独死やトラブルなどのリスクが減り、安心して部屋を貸すことができます。
②要配慮者が利用しやすい家賃債務保証業者を国土交通大臣が認定する制度ができました。居住サポート住宅に入居する要配慮者の家賃債務保証を原則断らないこと、契約時の連絡先を個人に限定せず法人でも可とすることなどが定められています。住宅金融支援機構(JHF)の家賃債務保証保険を利用でき、保険の対象範囲と保険割合が拡充されたことも特徴です。
③入居者の死亡後、物件内の家財などの処理に大家さんが困らないよう、居住支援法人の業務に「残置物処理」を追加しました。
④入居者の死亡時に賃貸借契約が終了する終身建物賃貸借契約を締結するための都道府県などに対する手続きが簡素化され、大家さんが利用しやすくなりました。入居者の相続人を探し契約解除を申し入れる苦労がなくなります。
【まとめ】
人の暮らしは「安定した住まい」の上に成り立っています。少子高齢化が進み、家族や地域の関係が希薄になった日本における「住まい」に関する2つの課題に対し、住宅政策と福祉政策が連携して取り組むこの制度に注目していきましょう。
野見 和子 2026年02月25日



