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2008年06月30日

『かもめのひろば』 第22号

━━━━━━━━━━━━━━第 22 号━2008/6/16━━━━━
『かもめのひろば』
 神奈川県ファイナンシャルプランナーズ協同組合(KFP) 広報誌
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■CONTENTS■
◇まえがき◇
1.『ライフプラン寸考』第7回
~ライフデザイン④ 親・子への想い~ 仁科 眞雄
2.『おさえておきたい住宅購入のポイント』第7回
~住宅ローン相談の実例から②~ 佐藤 房子
★とくとく情報!★
  ~家づくりに使える最新ショールーム~ 高橋 廣
3.『FPが選ぶ住宅』第7回
  ~和食文化と木造住宅~ 照井 栄喜
4.『FPが注目する「日経ヴェリタス」創刊』第3回
  ~世界インフレの足音~ 滝田 知一
★ニュース最前線★
  ~株券電子化と端株の行方~ 南平 和洋          
5.『心に響く「禅」のことば』第7回
  ~「無・空」その3~ 遊禅エフピー
★KFPのセミナー案内★        
◇編集後記◇ 

神奈川県ファイナンシャルプランナーズ協同組合
URL http://www.fp-kanagawa.com
e-mail info@fp-kanagawa.com                           
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◇まえがき◇
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今年も競馬の祭典「日本ダービー」が開催されました。今年の優
勝馬は「ディープスカイ」でした。父の果たせなかった「夢」を子が
引き継いで見事に果たしたダービー制覇でした。もちろん、競走
馬に「親への想い」は無いと思いますが、私を含めた周りの人間
に、「親孝行」を果たす孝行息子として一途にゴールを目指して走
る姿は大きな感動を与えました。こんな大きな「夢」のプレゼントは
なかなか出来ませんが、少しずつでもお客様・仲間・親・妻・子供
達にご恩返しをして行きたいと思っています。こうした血の通った
「ライフプラン作り」が出来るFPになれれば、ディープスカイに負け
ない親孝行が出来るかな?って考えたりしたダービーの一日でし
た。
                 『かもめのひろば』編集人:南平 和洋
                   
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1.『ライフプラン寸考』第7回
 ~ライフデザイン④親への想い・子への想い~FP:仁科眞雄
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今回は経済的なことを少し離れて自分を生み育ててくれた親へ
の想い・子への想いに触れたいと思います。
今は核家族化が進み、老後「子の世話になりたくない」と考える
親が増えているようですが、これは本心でしょうか? いざ介護
施設に入り誰も訪ねてこなくなったら、寂しくないでしょうか。「認
知症になれば何も分からんよ」と言うかもしれませんが、そう考え
ること自体が寂しい限りですね。私は「経済的には世話にならな
い」と正確にとらえるべきだと思います。「経済的には子の世話
にならないが、子には妻や介護をしてくれる人の相談相手になっ
てほしい・・・精神面で支えてほしい」という方が当を得ているの
ではないでしょうか。
この点は人生が1人1人違うように千差万別だと思いますが、
夫婦・家族で良く話し合うべきポイントでしょう。自分の人生のラ
ストステージに向けて、自分の気持に忠実にまた真摯に考え、
親子・夫婦で認識し合っておくことが大事だと思います。死ぬ時
に「有難う」と心から感謝して死ねるか・・・ライフデザインの大事
なポイントですね。

私はお袋の「面倒をみたい」と本気で思っていました。三男の悲
しさで思いは叶いませんでしたが、妻の両親の世話を機会があ
ればしてさしあげたいと思っています。また自分の場合、子に経
済的な負担をかける考えは全くありませんが、介護施設に入る
にせよ、病院に世話になるにせよ、精神的には子供達の世話に
なりたいと思います。でも義務感でやられるのは厭ですね。子は
親の背中を見て育つと言いますから、まずは「自分の姿勢をたも
つ」から始めなければと思っているところです。

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2.『おさえておきたい住宅購入のポイント』第7回
 ~住宅ローン相談の実例から②~FP:佐藤 房子
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住宅ローンを組む際に、ご主人だけの借り入れでなく、夫婦共有
での名義で組む方も多いようです。一人の収入より、夫婦二人の
収入の方が借入額も多いし、物件も高いものを購入できます。住
宅ローン控除もうまく使えば、効果的な借り入れ方法だと思いま
すが、気をつけなければいけないこともあります。

実際の相談例ですが、物件価格8,000万円、夫年収1,000万円、
妻年収500万円、頭金2,000万円、ローン借り入れ6,000万円と
いうものでした。
バブル経済の頃でしたので、住宅メーカーもランクの高い物件を
盛んに宣伝していました。注文住宅でしたので契約から物件引
渡しまで約5ヵ月経過しました。契約直後にバブルがはじけまし
たが、夫婦共稼ぎなので、そんなに気にしていませんでした。こ
の時代はローンも高金利、返済額も多かったのですが、収入も多
く、返済は問題ありませんでした。その後、低金利時代になり、
低い金利への借り換えもうまくでき、やれやれという矢先でした。
奥様が難病になり退職し、治療の毎日になりました。住宅ローン
はまだ残り10年ちょっと、年間380万円の返済です。ご主人の給
料も少しずつ減り始め、55歳以降は15%ダウンになるとの事でし
た。住宅価格は下落し、ローンの残債額はまだ3,800万円。
住宅ローンは30年から35年の長期の返済、夫婦共稼ぎの計画
も順調に行けば問題はないのですが、人生はまさかの連続・・・。
いろいろなリスクを考えて「ライフプラン」を作ることの重要性を痛
感した相談事例でした。

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★とくとく情報!★
 ~家づくりに使える最新ショールーム~ FP:高橋 廣
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日本初の鉄道が東京と横浜との間に開設された際、起点となる
新橋駅が建設された汐留、今は東京の巨大複合都市“汐留シ
オサイト“です。
このエリアに住まいを考えるきっかけの情報を提供するショー
ルーム「アーキテクトカフェ汐留」があります。家具や雑貨などの
全ての展示物は実際にふれて、試していただいた上でご購入も
可能です。
また、建築家や工務店・メーカーや不動産会社等様々な家づくり
専門家のコラボーレーションにより、普段知りえない家づくりに関
する情報も発信されています。
「アーキテクトカフェ汐留」はショールーム以外に「ランチタイム」・
「カフェタイム」・「ナイトタイム」(カジュアルイタリアンダイニング・
飲み放題プラン)等も営業しており、お茶・食事とお酒も楽しめます。
アクセスは、新交通ゆりかもめ汐留駅から徒歩3分、またはJR新
橋駅/東京メトロ銀座線新橋駅から徒歩5分で行けます。

【アーキテクトカフェ汐留HP】http://www.architectcafe.com/ 

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3.『FPが選ぶ住宅』第7回
 ~和食文化と木造住宅~ 1級建築士:照井 栄喜
                (サン建設株式会社 代表取締役)
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「牛や馬のオナラはあまり臭くないのに
ライオンのオナラはなぜ臭いのか・・・?」
実はこの牛や馬とライオンのオナラは、日本人と欧米人の食文化
と対比することができます。肉食と草食の違いは単にオナラの匂
いだけにとどまらず、牛や馬がとても穏やかなのに比べてライオン
が攻撃的であることにも関係しています。
そして、現代の日本人はとてもライオンに似て来ています。現代
のような肉中心の食事スタイルは戦後かつて無かったことであり、
毎日のように多発する凄惨な事件と食文化はとても密接な関係
を持っています。それと同様に毎日暮らしている住宅は、人格形
成にさらに大きな影響を及ぼします。

かつては無垢の木などの自然素材が当たり前に使われていた
住まいに、新建材と称する人工の素材が幅を効かせ始めた頃
からシックハウスやアレルギー、家庭内暴力など、色々な障害が
出始めました。新建材やコンクリート、鉄などの素材では人を温
かく包むことはできません。それどころかストレスをため込むこと
になりかねません。
穏やかで思いやりのある人間を育む自然素材の木造住宅こそ、
日本人の和食文化に通じるものと思うのですが、皆様はどの
ように考えますか?

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4.『FPが注目する「日経ヴェリタス」創刊』第3回
  ~世界インフレの足音・第8号記事より~ FP:滝田知一
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日経ヴェリタス第8号に「世界インフレの足音」という興味深い記
事が掲載されています。要約すると、
『原油、小麦、コメなど資源・食糧価格の高騰が、忘れていた狼
の存在を思い出させた。インフレである。(中略)商品価格の上
昇で膨らんだ資源国のマネーはファンドに流れ込み、巡り巡って
商品相場を押し上げている。見逃せないのは、サブプライム危機
が商品への資金シフトを促している点だ。(中略)暗い映画館から
表に出ると目がくらむように、デフレに慣れすぎた日本勢にとって
インフレはピンとこないかもしれない。しかし投資戦略を練るうえ
で、グローバルな物価環境の変化は避けて通れないテーマとな
ってきた。』
(日経ヴェリタス第8号より抜粋)

サブプライムローン問題を機に金融不安・信用懸念が世界を駆け
巡り、資金の潮流は原油・穀物・貴金属の先物市場に向かいま
した。そこで得た利益が再び商品市場へと投入されるという状況
が生まれ、それがガソリン・小麦・大豆・コーン等の急激な高騰に
繋がりました(今年3月世界消費者物価指数が食料 5.1%、エネ
ルギー 13.3%とインフレ数値が高まっています)。
ところが現在これが単なるマネーゲームでは済まなくなって来て
います。中国・インド・ロシア・イランなど資源輸出国が軒並み自
国防衛政策を打ち出し、原油・小麦・コメなどの輸出制限もしくは
全面ストップといった「資源ナショナリズム=資源の囲い込み」が
浮上してきています。
日本人は10年続いたデフレで慣れてしまった物価に対する意識
を変えていく時期が訪れた事に気づくべきでしょう。日本の自給率
がわずか39%しかない状況下、インフレに対応するための投資
戦略だけでなく、生活レベルでの改善(支出の見直し、使途不
明金の低減等)も欠かせないものとなる事でしょう。

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★ニュース最前線★
 ~株券電子化と端株の行方~FP:南平 和洋
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「株券電子化」とは株主の権利を電子的に管理し、株券自体は
「紙切れ」になることを意味します。電子化されることによって、
決済が迅速化し、盗難や消失とリスクが小さくなります。安心で
便利になるということです。
証券会社へ株券を預けている場合は問題ありませんが、他人
名義の株券を手元に持っている場合などは、株主の権利を喪失
する可能性や最悪の場合は大切な資産を失うこともあります。
証券会社のCMなどでみなさんご存知ですよね。

問題は1株に満たない端株です。端株は株券電子化後になくな
りますので、発行会社は、端株を「買取る」か、「単元未満株」に
します。NTTやみずほフィナンシャルグループは、端株の対応策
として株券電子化に合わせて1株を100株に分割し、100株単位
になります。NTTを1.01株持っていた場合、100株の単位株と1株
の単元未満株になります。株価は100分の一になり、資産は
変わりません。
特に単元株が1株の会社の株式を保有している方は端株が無い
かどうか調べてください。
株券電子化への移行は結構複雑で、知らないと「資産を失う」
可能性があります。詳細は証券業協会や発行会社のHPなどを
ご覧になってください。ご相談や対策が必要な方は、神奈川県
ファイナンシャルプランナーズ協同組合までお問合せください。

【証券業協会HP】http://www.jsda.or.jp/  
                       
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5.『心に響く「禅」のことば』第7回
  ~「無・空」その3~遊禅エフピー
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究極の「愛」は「無」・「空」の境地だということを知っていますか。
誰しも青春時代に経験することでしょうが、私も「愛」って何だろう
と本を読み漁りました。「人間」「愛」という語がつく小説や哲学書
は読みつくしたと思います。私は芹澤光次朗の『人間の運命』全
7巻の何巻目かで探していた一文をやっと見つけました。

「愛とは己を無にして、対象に没入すること」という言葉です。
さらりと書いてありますが、何度も読み返し「そういうことか~」と
嘆息したのを思い出します。自分にこんな崇高なことが出来るか
な~とも思いました。前回は「無」・「空」とは「積極的な心でもあ
る」と書きましたが、「愛する」ということでもあるのです。

『人間の運命』は芹澤光次朗の自叙伝的な小説です。子供の
頃は相当裕福な家で暮らしていたのに親が天理教に入信し、
全財産を寄進するために貧乏のどん底におちました。今は違う
かもしれませんが、全財産を寄進するのは信者になるための
条件だったそうです。信心は「無」「空」からということなのかもし
れません。芹澤光次朗は信者にはなりませんでしたが、結婚し
た妻が大変我侭な女性で数人の子女をもうけながらも、氏は
家庭生活で苦しめられました。しかしそこから逃げ出さず、葛藤
する物語でした。
人が人を好きになり、愛して家庭をもち、子をなしこれを育て、
年老いてやがて1人ずつ朽ちてゆく通常の営みの中に真理が
ある、「愛」「無」「空」があることを知って戴きたいと思い、筆を
進めました。

私は学校や会社でも家庭でも失敗が一杯あり、思い出すだけ
で冷や汗が出てきますが、そういった失敗を積み重ねて人間を
少しは磨けたのか、死ぬまで修行だと思います。
皆さんも「無」「空」「積極性」「愛」という生きていく上で大事な
理念を時に思い出して頂き、心の洗濯をして頂ければと願うも
のです。

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★KFPの活動案内★
http://www.fp-kanagawa.com/seminar/index.html#top
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各セミナーや講座の詳細はKFPのホームページでご確認ください。
■資産運用入門セミナー
「これから始める資産運用」
 日程:6月10日~7月15日まで毎週火曜日全5回
■夏の住宅ローンセミナー第2弾
「第13回 マイホーム選びの実践塾」
~失敗しないための住まいと住宅ローンとは~
 日程:6月22日(日) 場所:横浜関内教室
■保険セミナー
「ガソリンや食品など物価高のいま、
家計負担の大きい保険料をチェック!」
 日程:7月13日(日) 場所:なか区民活動センター
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◇編集後記◇
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『かもめのひろば』第22号を最後までお読みいただきありがとう
ございました。
梅雨の季節が始まり、鬱陶しい日々が続いていますが、この
季節ならではの楽しみもあります。あじさいです。雨にあじさい
はよく似合います。
私の住む鎌倉では、北鎌倉の「明月院」と極楽寺の「成就院」
があじさいで有名です。2大名所ともに見事なあじさいが咲き
誇り、見応えは十分です。でも、私は北鎌倉の「東慶寺」や
「古陶美術館」の山あじさいや額あじさいのほうが好きです。
あじさいほどの華やかさはないものの可憐に咲く姿に心ひか
れます。
さて、5月から始まった「住宅・不動産コンサルティング科」
(雇用能力開発機構より受託)は早くも半分の課程を終わりま
した。訓練生の皆さんは、毎日生き生きと講義を受講していま
す。訓練生の皆さんの真摯な姿勢に応えるためにも、KFPは
組織をあげて、訓練生の皆さんに知識の習得及び就職活動を
支援していきたいと考えています。
 『かもめのひろば』編集長:中澤 英雄

次回の『かもめのひろば』 第23号では……
・『ライフプラン寸考』第8回
 ~マイホームは?~
・『ライフプランと生命保険』第1回
 ~「まさか!」のための生命保険と必要保障額~
・『FPが選ぶ住宅』第8回
 ~ライフプランから考える家づくり~
・『FPが注目する「日経ヴェリタス」創刊』第4回
・『心に響く「禅」のことば』第8回
 ~啐啄~
その他、お役立ち情報満載で7月15日にお届けします!
ご期待ください。
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忌憚のないご意見、感想などをお寄せください。
ご意見・感想はinfo@fp-kanagawa.comまで、お願いいたします。
※本誌の記事は皆様への情報提供のみを目的としております
のでライフプランの決定や金融商品の売買などに際しては必ず
ご自身の責任においてご判断ください。
※KFPでは皆様の不安を解決し、夢を実現するための個人
相談を随時受付けておりますので、お気軽にご連絡ください。

『かもめのひろば』 第22号6月16日発行
発行人:仁科眞雄
編集人:南平和洋
編集長:中澤英雄
発行所:神奈川県ファイナンシャルプランナーズ協同組合
〒221‐0835
横浜市神奈川区鶴屋町3-32-16トリウミビル6F
TEL 045-315-0121 FAX 045-315-0122
URL http://www.fp-kanagawa.com
e-mail info@fp-kanagawa.com 

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