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2011年04月15日

『かもめのひろば』 第56号

<KFPメールマガジン「かもめのひろば」の読者の皆様へ>

・今月は特別寄稿として保険のエキスパートの佐藤博明氏から「地震
保険再考」というテーマの特別寄稿をいただきました。
・延期・中止となりましたセミナーの再開予定を掲載いたしました。

<かもめのひろば編集局>


━━━━━━━━━━━━━━第56号━2011/4/15━━━━━━
<<かもめのひろば>>

神奈川県ファイナンシャルプランナーズ協同組合
KFP広報誌

■CONTENTS■
1.特別寄稿                    ~地震保険再考~
★KFPのセミナー案内★
★KFPニュース★
2.『くらしに役立つ「マネー力」検定』第31回 ~健康保険編~
3.『ベテランFPの目』第21回
               ~株式の長期積立投資は正しいのか?~
4.『賛助会員の声』第7回
        ~東日本大震災とマーケットへの影響について~
5.『KFP組合員の横顔』第24回
         ~お金のスペシャリストとしての責任を追及したい~
◇編集後記◇
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1.特別寄稿
 ~地震保険再考~ 1級FP技能士:佐藤博明
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 今回の地震で被災された皆様には、心よりお見舞い申し上げます。
地震の発生回数は、過去500年間に375回程度で、1年間に6万回も
発生する火災に比べ、その発生回数は極めて少ないといえます。
阪神・淡路大震災(1995.1.17)以後、地震に関し関心が高まり地震保
険の火災保険への付帯率は増加しましたが、2007年(平成19年)でそ
の付帯率は44%,世帯加入率(平成21年度)23%にとどまっています。
 阪神・淡路大震災では、支払い件数6万5千件、支払額783億円、加
入率9%であり、今回の東日本大震災では、推定支払い件数50万件、
推定支払額1兆円、加入率23%といわれています。

①地震保険では、地震・噴火・津波を原因とする火災・損壊・埋没・流出
による損害が補償されます。
火災保険では地震・噴火・津波による火災損害は補償されません。
今回の東日本大震災では、大津波が特徴ですが大規模火災も同時
に発生していました。
大規模地震発生時には、想定外の大規模火災損害が発生することか
ら火災保険の補償から除外し、政府のバックアップのある地震保険で
対応することとしています。
地震保険は巨大地震が発生した場合でも保険金の支払いに支障をき
たさないように火災保険金額の50%までとしています。又、「地震保険
に関する法律」の趣旨である被災者の生活安定に寄与することを目的
としています。
 地震保険に関し、政府は関東大震災級の地震を想定し、支払保険
金の総額は1回の地震等で5兆5千億円と現在決めています。 
この金額は適宜見直されます。
あって欲しくはありませんが、関東に直下型の大地震が起きる可能性
や東海地震の発生の可能性は以前から指摘されています。
②地震保険が支払われる保険金とは、建物の場合、損害を受けた主
要構造部「基礎、柱、壁、屋根等」と焼失・流出した床面積で判断しま
す。全損・半損・一部損に分かれます。
・全損(建物時価50%以上の損害、床面積70%以上焼失等)→地震
保険金額100%(時価額限度)
・半損(建物時価20%以上50%未満、床面積20%以上70%未満焼失
等)→保険金額の50%(時価額限度)
・一部損(建物時価額3%以上20%未満、床上浸水等)→保険金額の
5%(時価額限度)
③家財については、建物と違い損害の額が保険の対象である家財全
体の時価額の80%以上(全損)、30%以上80%未満(半損)、10%以
上30%未満(一部損)が対象になります。
④建物主要構造部に被害がない場合は保険金が出ないが、液状化
で建物が傾いたり、沈んだりした場合には支払い対象となります。

 マイホームをお持ちで、まだ地震保険に入ってない方は是非、ご加
入をご検討されたらどうでしょうか。途中からの加入もできますので現
在加入の保険会社にご相談ください。
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★KFPのセミナー案内★
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◇資産運用セミナー◇
*「知って得するシリーズ」   ~資産運用事始め~

今回の連続セミナーは地震のため延期した3月のセミナーと同じです。
資産運用をこれから始めようとお考えの方、資産運用を系統だって学
びたい方に最適の無料セミナーです。

◆5月14日(土)13:30~16:00 (無料) 会場:KFP内教室(横浜駅西口)
「まずライフプランの基礎を学ぶ」    講師:佐伯 好也氏(CFP)
「資産運用の知識を身につける」    講師:田中 均氏(CFP)
◆5月21日(土)13:30~16:00 (無料) 会場:KFP内教室(横浜駅西口)
「株式投資を基本から学ぶ」       講師:岡野 征治氏(CFP)
◆5月28日(土)13:30~16:00 (無料) 会場:KFP内教室(横浜駅西口) 
「基礎から学べる投資信託」       講師:佐藤 博信氏(CFP)
◆6月5日(日)13:30~16:00 (無料) 会場:KFP内教室(横浜駅西口)
「わかりやすいJ-REIT & ETF」   講師:J-REIT 堀江 雄二氏(CFP)
                           ETF 金井 剛氏(AFP)

各セミナーの終了後にご希望者の方へ無料ミニ相談の機会がござい
ます。お気軽にお申し込みください。

<無料セミナー・無料相談のお申し込み>
*E-Mail: info@fp-kanagawa.com に①お名前②E-Milアドレス
③電話番号④ご希望のセミナ―名 をお書きの上お申し込みください。
*電話: 045-315-0121 にお申し込みください。
*セミナーの詳細と会場の地図:
 http://www.fp-kanagawa.com/seminar/
でご確認願います。
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★KFPニュース★
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◆地震に負けず住宅ローンセミナーを開催◆
地震直後の3月13日(火)にKFPは住宅支援機構が参加したセミナ
ー「FPが選ぶフラット35Sの活用法」を開催しました。地震のためセ
ミナー参加者はご希望者の半数に減りましたが、セミナー後の無料
相談会は熱気にあふれたものでした。今回は初めての試みとして工務
店にも参加いただきフラット35Sの建設適用事例をご説明いただき
好評でした。
◆中止が相次いだKFPのセミナー等◆
3月11日の東北関東大震災後の計画停電等の影響でKFPの下記
行事が延期中止されました。
①委託訓練講座「ファイナンシャルプランナー科」の講義が3月14日、
15日、16日と延期され3月26日から補講がおこなわれました。
②投資教育セミナーの「知って得するシリーズ」~資産運用事始め~
の3月12日、19日、26日のセミナー日程が5月に延期されました。
③住宅ローンセミナーが5月22日に予定されていましたが、6月に延
期されました。
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2.『くらしに役立つ「マネー力」検定』第31回
~健康保険編~   AFP:瀬戸 幸

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読者の皆様の「マネー力」を磨く3択クイズです。今回は、「健康保険」
に関する問題です。

問1、サラリーマンであるA氏(月収40万円)は、平成23年1月に病院
入院のため50万円の医療費がかかりました(自己負担額は3割)。
この場合、払い戻される金額として、次のうち正しいものはどれですか?
① 82,430円
② 67,570円
③ 0円
(参考)70歳未満の自己負担限度額

区分 自己負担限度額(月額)
高所得者 150,000円+(総医療費-500,000円)×1%
一般所得者 80,100円+(総医療費-267,000円)×1%
低所得者 35,400円(定額)

問2、退職後の健康保険に関する次の記述のうち、誤っているものは
どれですか?
①退職後は、健康保険制度に加入しない場合は国民健康保険に加入
することになるが、その手続きが遅れても、退職日の翌日から保険料
支払義務が発生する。
②家族の健康保険の被扶養者になるためには、被保険者(扶養する
人)の三親等内の親族で、主として被保険者によって生計が維持され
ていることが必要である。
③健康保険の被保険者が後期高齢者医療制度に加入した場合、その
者の被扶養者であった者は、75歳未満でも後期高齢者医療制度の
対象となる。

問3、健康保険の任意継続保険者に関する次の記述のうち、誤ってい
るものはどれですか?
①任意継続被保険者になると、保険料は事業主負担がいっさいなく全
額自己負担となるが、お給付内容は一般の被扶養者と同様である。
②任意継続被保険者の保険料は、退職時の月収に保険料率を乗じて
算出される。
③退職後2年間は任意継続被保険者になることができるが、退職の日
の翌日から20日以内に所定の手続きをしなければならない。
(解答は巻末をご参照ください)

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3.『ベテランFPの目』第21 回
~株式の長期積立投資は正しいのか?~   CFP:今泉 明信
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FPの投資教育では、長期・分散・積立を決まり文句で言うことが多い
が日本の株式投資においては成果が得られていないことをご存知で
すか?
ドルコスト平均法で日経平均株価に1949年(取引所再開年)から毎年
3月末に1万円を23歳から投資したと仮定する。投資開始年度が73年
度以降の(現在60歳以下の人)はすべてマイナスで1982年から1992年
の間に投資を開始した人はなんとマイナス約30%です。(平均株価を
仮に10,000円で評価する)『データは日経新聞より』
株式において日経平均は十分分散され、ほぼ20~30年の長期積立
投資でこの成果です。
一方、97年に株式公開したヤフーは10年で480倍です。世界一の投資
家であるW.バフェット氏は企業の「価値」を見い出して集中投資で富を
築きました。
FPは十分心して投資教育をする必要があると思いますが、如何でしょう。
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4.『賛助会員の声』第7 回
~東日本大震災とマーケットへの影響について~
サラリーマンFP: YZ
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3月11日の地震・つなみでの被災者の方々、被災者の関係者の方々
にお見舞い申し上げます。
私たち日本人は過去にも関東大震災や戦争、近年では阪神大震災な
どで生活基盤を失いましたが、その度に“復興”を遂げてきました。
今回も一人ひとりが出来ることを着実に実行し、一致団結することで、
必ず復興できると確信しています。
 さて、マーケットは株式市場では20%超の下落、為替市場ではドル
円相場で史上最高値を更新、債券市場では長期金利の低下(債券価
格の上昇)と反応しました。
“リスク回避の動き”が出たとのマーケット関係者の解説です。
 日本はGDP世界第3位の国です。日本経済の“震災・原発事故によ
る影響”は、ようやくリーマンショックから立ち直りつつある今後の世界
経済への影響も甚大です。
 しかし、私たち日本人は危機の時こそ強い連帯感で困難を乗り越え
てきました。
したがって、マーケットが大きく下がった時こそ、長期の売買タイミング
であり、ご自身の資産のポートフォリオを見直すチャンスと考えます。
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5.『KFP組合員の横顔』第24回
~お金のスペシャリストとしての責任を追及したい~ AFP:瀧澤 雄一
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現在28歳です。大学、大学院と感性工学を勉強しておりました。この
学問は「人間の言語表現に頼ることなく潜在的な感情を取得し、それ
を利用する」学問でした。バリバリの理工系だったので、エンジニアと
してGPS測位や超音波センサを扱っていました。しかしエンジニアとし
ての発想力や構築能力に限界を感じ、別の道を模索していたときFPと
出会いました。
お金に興味がありましたが「自分の知識を人の役に立てたい」と考え
たとき、社会的資格は必要だと考えAFPを取得しました。
現在は保険代理店の営業サポートとして働き始めたところです。
人を慮れるFPになるべく努力していきたいと思います。
       注)  慮れる(おもんばかれる)ーーよくよく考える
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「くらしに役立つ『マネー力』検定」第31回   <解答>
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問1、 正解 ②
A氏の自己負担限度額:80,100円+(500,000円-267,000円)×1%=
82,430円
A氏の自己負担額:500,000円×0.3=150,000円
問2、 正解 ③
①②は正しい。
健康保険の被扶養者になるためには、被扶養者の年収が130万円
(60歳以上又は障害者の場合は180万円)未満で、かつ、扶養者の
年収の50%未満の者が対象となります。
③は誤り。 被扶養者本人が75歳にならないと後期高齢者医療制度
には加入できません。
問3、 正解 ②
①③は正しい。
②は誤り。保険料は、退職時の自分の標準報酬月額と、所属していた
健康保険制度の加入者の前年10月31日基準の平均標準報酬月額
との比較で低いほうに保険料率を乗じて算出されます。
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◇編集後記◇
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この度の東日本大震災により被災されました方々に、心よりお見舞い
申し上げます。被災地の一日も早い復興を心より祈念いたします。
今回の未曾有の大震災に直面して、震災直後に私たちFPのできるこ
とはほとんどありませんでした。個人的には義援金を寄付したくらいで
した。私の昔からの友人も被災しましたが、手助けにも行けず無力感
でいっぱいです。
被災者の皆様・被災地の復興に向けて、今後、私たちFPにできること
はライフプラン支援策の情報提供やFP個人相談などが考えられます。

KFPのホームページでは、被災者の皆様へ情報提供をしております。
下記アドレスからご覧ください。
http://www.fp-kanagawa.com/
復興に向けて1か月、2か月、3カ月・・・1年、2年、3年とそれぞれの
状況に応じた情報を提供していく必要があります。

マスコミではイベントや祭りの自粛が話題となっています。4月10日、
横浜の鶴巻橋から弘明寺まで大岡川の桜並木を散策して来ました。
桜の美しさを堪能することができ、久しぶりに心が満ち足りた思いです。
そして、桜を愛でる人出の多さにほっとしました。過度な自粛で日本人
が委縮していては復興もままなりません。
     「さまざまのこと思い出す桜かな」(芭蕉)
復興が成った時、もう一度、この句をかみしめてみたいものです。
                  『かもめのひろば』編集長:中澤 英雄
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※本誌の記事は皆様への情報提供のみを目的としておりますので
ライフプランの決定や金融商品の売買などに際しては必ずご自身の
責任においてご判断ください。
※『かもめのひろば』の配信停止を希望する方は、
http://www.fp-kanagawa.com/FormMail 
より、配信停止の手続きをお願いいたします。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
『かもめのひろば』 第56号 4月15日発行
発行人:仁科 眞雄
編集人:鈴木 榮三郎
編集長:中澤 英雄
発行所:神奈川県ファイナンシャルプランナーズ協同組合
〒221‐0835 横浜市神奈川区鶴屋町2-21-8 第1安田ビル7F
TEL 045-315-0121 FAX 045-315-0122
URL http://www.fp-kanagawa.com   e-mail info@fp-kanagawa.com

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